武士道の「美意識」を学ぶ。

上野焼・渡窯を訪ねて

 

ついに

憧れの上野焼・渡窯(わたりがま)さんを

見学させていただきました。

 

 

平成24年10月27日(土)

 

福岡県・田川郡・福智町の

上野焼(あがのやき)にて秋の窯開きが開催。

 

 

本日は

400年の歴史を持つ

「上野焼・渡窯・十二代」

「渡 仁」さんを訪ね、渡窯を

特別に見学させていただきました。

 

 

さて、

武士道美術館は、

戦国一の芸術家だった

細川忠興(三斎)公の美学を

研究しています。

 

 

実は

この上野焼も

細川忠興(三斎)公と

尊楷(そんかい)、

別名、上野喜蔵高国

(あがのきぞうたかくに)によって

誕生した芸術で、

 

渡さんは、

その尊楷(そんかい)から数えて12代。

 

渡家400年の歴史を継承した

多彩で優れた芸術を現在も制作され、

本年度「第47回 西部伝統工芸展」で受賞、

また、日本伝統工芸展、日本陶芸展で入選。

 

また、

渡窯はイギリスの「大英博物館」に収蔵。

日本では、皇太子殿下へ献上されています。

 

 

さて、

渡さんの

美しい世界を楽しんでいただく前に

 

まずは、

ここで少し

上野焼の歴史を解説いたします。

 

 

安土桃山時代の茶人

 

「千利休」の指導により

「茶禅一味」の奥義を極めた

細川忠興(三斎)公が

 

慶長7年(1602年)に

尊楷(そんかい)を招き、

陶土に恵まれた上野の地で

窯を築いたのが始まりとされています。

 

尊楷(そんかい)は、

地名にちなんで上野喜蔵高国

(あがのきぞうたかくに)と改名し、

細川忠興(三斎)好みの茶陶を

創り献上し続けました。

 

その後、尊楷(そんかい)は、

藩主の移封に従って

寛永9年(1632)に

肥後熊本(八代)へ移りましたが、

 

二男の十時孫左衛門と

 

娘婿の「渡久左衛門」が、

この上野に残り、

新藩主となった小笠原家のもと、

皿山本窯で上野焼を造り続けました。

 

渡家七代・忠兵衛は京に上り、

楽焼を学び正徳3 年に帰郷しており、

様々な文化を吸収しながら、

現在、渡さんが、

その文化を継承していらっしゃいます。

 

 

この福智町は、

九州の北

福岡県中部から

北東よりに位置します。

 

人口は約2万6千人、

面積は42.04平方キロメートル

自然が美しく、初夏には

美しい田園風景の中に

たくさんのホタルが

光を漂わせ、幻想的な時間を作ってくれます。

 

そんな心豊かに過ごせる場所に

上野焼・渡窯はあります。

 

ちなみに

中には展示室があり、

作品を見学することができます。

 

 

こちらは、

上野の割山椒向付(わりさんしょうむこうづけ)

 

 

向付(むこうづけ)とは

日本料理で膳の向こう側につける料理、

また、それを盛りつける器のこと。

 

割山椒向付

(わりさんしょうむこうづけ)とは

 

山椒の実を割ったような形であることに

由来する名で、細川忠興(三斎)公の

時代からあったと言われています。

 

 

こちらは、渡さんが

本年度「第47回 西部伝統工芸展」で

受賞された作品。

 

 

素敵な作品で心が癒されます。

 

三斎公の茶の湯に通じる

「渋さ」があって本当にいいですね。

 

そして、

今度は

その作品を作っていらっしゃる制作現場を

拝見させていただきました。

 

 

 

制作をされている

渡窯・十二代

渡 仁さん。

 

特別に見学させていただきました。

 

 

子供も興味津々。

渡さんの「技』に見とれて、

ジッと集中する様子。

 

すると、

渡さんから

特別に

教えてもらえることに!

 

 

子供も憧れの陶芸に大満足。

 

渡さんに直接、教えてもらえたのが

とても嬉しかったようで、

一日中興奮していました。

 

こんな貴重な経験をさせていただいた

渡さんの優しさに

本当に感謝いたします。

 

 

400年の伝統と豊かな自然に恵まれた

上野焼・渡窯(わたりがま)。

 

この場所には、

忙しい日々、日常を離れられる

清らかな風景と人の優しさがありました。

 

 

今回は

このような貴重な機会を与えてくださった渡さんに

心から御礼を申し上げます。

 

本日は本当にありがとうございました。

また、今後も

ご指導よろしくお願いいたします。

 

皆様も是非、

渡窯へ行かれてください。

 

細川忠興(三斎)公と

千利休の美学が

今も受け継がれているこの場所で

きっと素敵な作品や自然に出会えます。

 

 

渡窯へのアクセス

福岡県田川郡福智町上野皿山

渡窯公式サイト

上野焼共同組合・渡窯ページはこちら

 

資料:福智町観光パンフレット

西部伝統工芸展パンフレット

写真:studio passion

wikipedia 千利休より 千利休像(長谷川等伯画、春屋宗園筆)

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