40年前の贈り物

 

 

十段になった父が

記念品を包むため

 

箪笥の奥から

何やら古い箱に入った

風呂敷を出してきました。

 

 

 

 

それは

 

今から40年前

1977年(昭和52年)に

 

父の師匠

二天一流15代宗家

松永展幸先生が

 

全日本居合道連盟の

範士十段になった時に作った

記念の風呂敷で

 

今まで一度も開けたことが

なかったとのこと。

 

 

この祝賀会の時なんでしょうね。

 

写真左が松永展幸先生

そして右は

武蔵館の松永先生のお父様です。

 

あれから

40年・・・・

 

偶然なのですが

 

風呂敷を初めて使う時が

自分が十段になった時という

不思議な縁。

 

私も40年間、この風呂敷と

家のどこかで、

ずっと一緒だったのでしょうが

知らなかったです。

 

箱を初めて開けるから

当然、中身は新しい。

 

よく見ると

 

 

二刀流祖

二天一流第十五代宗家

松永展幸の文字

 

 

全日本居合道連盟

範士十段の文字。

 

 

昭和53年

10月とのこと。

歴史を感じます。

 

 

 

すもう?

 

大日本相撲有段者

協会範士十段の文字。

 

松永先生は

相撲も稽古されていたのだと

初めて知りました。

 

幕末に生まれ

道場住み込みで稽古され、

 

戦後の荒れた熊本では

大変、

危険な経験もされたと聞きます。

 

ずいぶん昔、

父が松永先生と街を歩いていた時、

ポケットに手を入れて歩いていると

 

「太田君、きみは

後ろからナイフで刺そうとする敵が来たら

どうするんだ?

ポケットから手を出せ!」と

言われたそうです。

 

戦後の荒れた熊本で

用心棒のようなこともされていたという

松永先生のエピソードです。

 

 

 

私が道場に遊びに行くと

大きな身体(身長は180近く)で

居合を指導されていましたが、

 

とても迫力があったことを

思い出します。

 

 

また、宗家講習会で

池田宗家が熊本に来られると

よく松永先生のお話をされます。

 

私がギリギリの世代で

松永先生の居合道を

見たことがあるからでしょうか

 

御宗家も様々なエピソードを

お話してくださいます。

 

御宗家のお父様と

大親友だった松永先生が

私財をつぎこんで

九州地区居合道連盟を作るために

ご尽力されたことや、

 

河野百錬先生と

松永先生の話しなどです。

 

私が昭和48年生まれで

奇跡的に出会えた松永先生でしたが

 

現在も熊本は先生の残された

武蔵会が居合道を受け継いでいます。

 

 

ちなみに

この松永先生が着ていらっしゃる

道着の家紋が

宮本武蔵・二天一流「武蔵会」のもの。

 

 

大久保先生も

 

 

そして父も

この宮本武蔵「武蔵会」の

丸の家紋を使用しているのです。

 

 

風呂敷の真ん中にも

この「丸の家紋」が。

 

 

偶然にも

ちょうど40年目に

 

師匠が十段の祝いに作った風呂敷を

弟子が十段になった時に

初めて使うという瞬間に出会い

 

居合道の歴史と伝統を感じました。

 

コツコツ一歩ずつ。

焦らず、

継続は力なりということを

風呂敷に教えてもらったような

一日でした。

 

 

 

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