柳生新影流兵法「荒津会」黒田藩傳

 

あの

 

伝説の「黒田武士」が・・・

 

平成の世に甦る。

 

 

 

 

平成25年4月20日(土)

 

筑前・福岡

 

黒田武士顕彰会の

「母里 市兵衛忠一」先生から、お誘いを受け

 

黒田藩傳

「柳生新影流兵法

(やぎゅうしんかげりゅうひょうほう)」

荒津会の皆様の「奉納演武」を

見学させていただきました。

 

 

 

場所は

 

福岡市の「光雲神社」。

「光雲」と書いて(てるも)と読みます。

 

この光雲神社(てるもじんじゃ)は、

 

福岡藩祖

「黒田 官兵衛」公の法名(龍「光」院殿)と

「黒田 長政」公の法名(興「雲」院殿)から一字ずつとり、

2人を祀った神社です。

 

 

ここには、母里先生のご先祖で

黒田二十四騎の一人「母里 太兵衛」公の銅像が

威風堂々と立っています。

 

あえて、

銅像は神社の「ご神体」を直視しないように

家臣が主君を直接見ないように

計算され配置されたそうで

 

上を敬い、忠義を尽くす精神が

黒田の「武士道」であると

 

黒田武士顕彰会の方から教えていただきました。

 

 

ちなみに

こちらは

「黒田 長政」公が愛用した水牛の兜像です。

 

 

天気は雨。

しかし、

 

臨機応変に対応するのが武士。

屋外での演武から室内での演武に変更します。

 

 

会場は神聖な雰囲気。

 

4月も20日なのに、吐く息が白く

まだまだ寒い。

 

そんな会場でゆっくりと

光雲神社の「春季大祭」が斎行されます。

 

 

新影流は、

 

天文年間、

上泉 伊勢守(こうずみいせのかみ)秀綱により

創られた兵法です。

 

秀綱(ひでつな)は、

愛洲移香斎(あいすいこうさい)の影流、

並びに松本 備前守(まつもとびぜんのかみ)の

鹿島新流を修得し、

 

自らの兵法を加え、新影流を完成させました。

 

 

後に柳生 石舟斎

(やぎゅう せきしゅうさい)に伝わり、

「柳生新影流」となりました。

 

柳生新影流は、相手を「殺さず生かす剣」

「活人剣」をもって奥義とし、

 

その「武士道」が

この黒田にも受け継がれています。

 

 

黒田藩に、脈々と継承された

黒田藩伝「柳生新影流兵法」荒津会には、

 

「剣法、組太刀、影流、小太刀、杖術、体術、

鉄扇術、無刀取」など

 

国内でも失伝されたと言われる

貴重な技が数多く残っているそうです。

 

 

荒津会の皆様は、「黒田 官兵衛・長政」

ご両公を祀っている光雲神社を始め

各地で奉祝「四方払い」を奉納されています。

 

 

 

それでは・・・

 

 

黒田藩傳

 

「柳生新影流兵法」荒津会の皆様の

 

ご演武をごらんください。

 

 

 

刀礼の後、神前に拝礼。

母里先生の奉納。

 

 

 

幅広い世代の皆様の演武。

その美しい世界に引き込まれます。

 

ちなみに

子供達が使用しているものは

真剣ではなく「模造刀」です。

事故がなく、安全に演武できるように

気配りされていらっしゃいます。

 

そして次に

 

お二人での組太刀。

 

 

そのスピードと迫力。

実戦を想像する瞬間の技。

 

 

そして

 

次に

 

 

用意されたのは「巻き藁」。

 

 

藁(わら)は「肉」の硬さに

中の竹は「骨」の硬さに似ていることから

武士が斬る練習道具として愛用してきたものです。

 

その「巻き藁」を

 

一刀両断。

 

 

 

 

 

 

真っ二つ斬られた巻き藁。

 

 

 

 

 

 

 

そして、

 

続いては組太刀。

 

一般の人は決して真似をしないでください。

 

会の皆様は、普段から修行を積み重ね、

稽古している中でできる技です。

 

 

 

 

少しずつ

 

少しずつ

 

お互いの「間合い」を近づけます。

 

刀を後ろに構え、相手に見せない。

 

 

 

その瞬間

 

 

手の内が

 

 

 

 

 

回転!?

 

どうなったのか・・・

 

 

 

 

 

一瞬にして「峰打ち」。

 

峰打ちとは、日本刀の背面にあたる斬れない部分で

相手を叩くこと。

 

棟内ち(むねうち)ともいいます。

 

 

 

わずか1秒ほどのスピードに見えました。

どうなったのか解らない・・・

 

 

 

 

ゆっくりと残心(ざんしん)。

 

残心とは、武道において

油断をせず、心を途切れさせないこと。

 

 

演武を終えた後も、力を緩めながらも

注意を払っている状態を言います。

 

また余韻を残す、

倒した相手のことを想うなども意味します。

 

 

もう一度

 

巻き藁を斬ります。

 

 

 

 

瞬間の出来事に

 

会場の皆様は圧倒されていました。

 

 

 

 

 

そして

 

いよいよ

奉納演武が終了いたします。

 

神前に拝礼、

刀に対し礼を行います。

 

 

 

続いて、

「黒田武士」ゆかりの神社ということで

「黒田節」の舞を披露されます。

 

 

唄うのは母里先生。

 

酒は呑め呑め 呑むならば

日本一(ひのもといち)のこの槍を

呑み取るほどに呑むならば

これぞ真の黒田武士

 

 

母里  太兵衛(ぼり たへえ)の末裔である

先生の歌で舞が披露される。

 

歴史と文化を感じさせる贅沢な瞬間です。

 

 

その昔、福島正則公から

「飲み干せば何でも褒美を取らす」と

大盃に注がれた酒を勧められた際に、見事飲み干し

正則公自慢の槍を貰い受けたエピソード。

 

博多の人達に今でも愛される「黒田節」です。

 

そんな「母里太兵衛」公が見守る中、

素晴らしい奉納演武と舞でした。

 

 

会場には大きな拍手が響きます。

 

 

 

春季大祭後は

黒田武士、光雲神社ゆかりの皆様の懇親会です。

 

 

 

なんと

特別に私達も

黒田武士の皆様のお仲間に加えていただき

懇親会に参加させていただくことに。

 

 

宮司代務者の

石津様からのごあいさつ。

 

 

美術館でしか見ることができない

 

貴重な資料。

 

地元の方しか知らない「言い伝え」や、

歴史のお話を聞く事もできました。

 

同行していただいた映像監督の佐々木さんも

熱心に取材されています。

 

 

 

黒田二十四騎図の原本。

 

至近距離で拝見させていただきます。

今でも

黒田の「武士道」を大切に守っている人達がいる。

 

こうやって日本は文化を伝承してきました。

 

現代は、

刀や武士が必要ない時代かもしれません。

 

しかし、

 

平成になっても多くの人達が「武士道」を愛するのは

 

「武士道」が体系的なものではなく、

長い歴史を経た私達の「こころ」に辿り着くものだから

ではないでしょうか?

 

 

 

来年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の舞台となる福岡。

 

その「黒田官兵衛」「黒田長政」ゆかりの神社で

このように素晴らしい

柳生新影流兵法・荒津会の皆様の演武を拝見でき、

感動しました。

 

 

「母里市兵衛忠一」先生、

柳生新影流兵法・荒津会の皆様、

黒田武士顕彰会、

光雲神社、関係者の皆様に心より感謝いたします。

 

本日はありがとうございました。

今後もどうぞ宜しくお願いいたします。

 

 

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1 Comment »

 
  • 田村実香(作家) より:

    一日ご苦労様でした。
    皆様の勇姿、拝見し、背筋もしゃんと伸びる思いです。すばらしい伝統を、今後も守り続けてくださいませ。

 

田村実香(作家) へ返信する

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