甲野善紀さんとの出会い

 

本日は「NHK文化センター」にて

武術研究者の「甲野善紀さん」にお会いし、

直接、話を伺うことができました。

 

爆笑問題の

NHK「爆問学問」でも話題をよんだ

古武術を基にした身体操作法。

 

介護の現場や、スポーツ、ロボット工学など

甲野さんの研究は様々な分野から注目されています。

 

今日は、武術の講演会なので、

男性のお客様ばかりと思っていたら、

半分以上は女性のお客様で驚きました。

 

介護や医療などで

寝たきりの老人を女性が簡単に起こす方法や、

女性のための護身術など目からウロコな技ばかり。

 

中でも、

膝が悪く一人で立つことが難しい女性が、

膝に負担をかけずに立つ良い方法がないか?

という質問に実践で答え、

女性は見事に立ち上がり、

それを見ていた

みなさんは大変、驚いていました。

 

 

ちなみに

甲野さんは、

「非力小柄な人も、その工夫による術で

力の強く大きな者にも対応できる武の原点を真剣に探求する事で、

時代の雰囲気を超えて必然的に身についてくる

その人としての力量こそが

言葉で作ったもっともらしいキャッチコピーよりも

人を変える力があり、

また社会にも訴えるものがある」と言います。

 

何よりも目の前でやってみせてくれる術が

驚きの連続でした。

 

講演後、甲野さんに

400年前の居合道・始祖である「林崎甚助公」の

抜刀について質問し、

甲野さんが考える「林崎甚助公」の抜刀を見せていただきました。

 

 

※以下「甲野善紀・武道から武術へ)より

 

「古者奥州に林崎甚助重信と云う者有り。(中略)

刀を鞘より抜くと打つとの間髪を入れざる事を仕出し、

これを居合と号して三尺三寸の刀を以て、敵の九寸五分の小刀にて

突く前を切止る終業なり。

六尺二寸の男に三尺三寸の帯刀

この定め如何なる工夫より出るかその場に至ざれば

その妙處を知り難し。しかりと云えども、

如何程精力を尽くせども止まらず。

書夜思を疑し自力にかなひ難きとて

林明神に参籠して祈誓する事百日に及んで、

至誠の感通有りて夢想を蒙りてその理を得。

これより自由を得たり。當流の神伝の妙是なり。」

 

 

現在、私達が居合道で活用しているのは

「二尺四寸」ぐらい

それが「三尺三寸の刀」と言えば、かなり長い刀。

 

林崎は、その「三尺三寸」という長い刀で

九寸五分という30センチも満たない短刀で突いてくるところを

切り止めることに悩み苦しみ、

 

ついに

林明神に祈願し夢を見て「居合」を作ったと言われています。

 

 

つまり「居合」は、相手が既に刀を抜いていて、

その上で自分に対して油断なく迫ってくるという

 

「圧倒的に不利」な状況で

 

相手の攻撃を封じて勝つことができるところに真価があり、

それ故に「鞘の内に勝利を含む」と言われていたのです。

 

甲野さんは、

居合の原点であるところの

「刀を抜いて迫ってくる相手に、

こちらはまだ刀を抜いてはいない状態で間に合うか」ということが

今、広く行われている居合で追求されていないと言います。

 

それが気になり、本日は直接お会いして

日本の古武術を研究した甲野さんならではの

「抜刀」を見せていただき、とても勉強になりました。

 

居合道も柔術も様々な流派があり、

たくさんの考え方があります。

 

甲野さんのように

介護の現場や、スポーツ、ロボット工学などにも

古武道の考え方を取り入れる発想に共感しましたし、

また私達が練習している「居合道」を

違った角度から見ることができて

 

ますます「居合道」が好きになりました。

 

私の今後の稽古にも参考にさせていただきます。

 

本日は貴重なお話を聞かせていただいた

甲野善紀さんに心より感謝いたします。

 

下記は甲野さんが特集された番組です。

「受け流し」にも通じる身体の動きに注目です。

 

 

甲野善紀さん公式サイト

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