全日本居合道連盟(九州大会)平成23年度

平成23年9月18日

熊本にて全日本居合道連盟

九州大会が開催されました。

刀など必要ない時代に、

なぜ昔の古武術を学ぶのか?

そこには日本人が忘れてはならない

美しい世界があるからだと思います。

居合道は武士の時代から何百年も受け継がれた型。

架空の敵を想定して演武を行います。

敵と言いますが

結果的に戦う敵は自分自身。

地震や不況といった大きな問題があっても

私達は前を向いて闘っていくしかありません。

居合道を志す人達も毎日、自分自身と闘っているのです。

忙しい毎日の中でも稽古し自分を磨く。

そんな人達に出会えるこの大会に参加できて幸せです。

私達が刀を持つ理由は自分を成長させたいと願うから。

もっと強く美しく優しい自分になりたいと思うからだと思います。

演武される一人一人の生き方があるように

その人にしかできない技がある。

仕事が忙しくても

苦しい時代といわれても

できる時間に稽古して自分を高める。

その毎日の積み重ねが素晴らしい演武に繋がります。

多くの先生達が挑戦し続け

私達はその背中を見て日々努力しています。

道に行き止まりがあれば路地。

行き止まりがないから「道」なのだと宗家は

教えてくださいました。

明日に向かって自分の「道」を進む。

強く優しい人間になるために居合道を行う。

それぞれの演武を通じて

多くのことを居合道は教えてくれます。

私は

今年の大会で弟と闘うことになりました。

居合道は6段までは毎年、昇段していくのですが

それから先は年月がかかります。

同じ6段に上がってきた弟と初めて対決することになり

九州の多くの方達から見まもられながら

演武することになりました。

私の師匠である塩川先生が全国大会で

日本一になって以降、男子の部で

九州から日本一になったのは弟と私しかいないという理由もあり

多くの先生達も注目した対決となりました。

 

実は、弟と私は同じ時期に居合道を始めました。

だから本当は同じ段なのです。

でも、弟が私を気づかって段を取らなかった。

そんな弟に支えられながら居合道をやってきたわけです。

実は

私は弟を先生だと思っています。

昨年、日本一になった時に弟にアドバイスしてもらいました。

それは腰の高さを「能」の動きのように一定に保ち、上下しないこと

腕の力だけで斬るのではなく、腰、丹田に気を集中して

身体全体で動作を行うことを弟から教わりました。

おそらく、どちらかが居合道を真剣にやっていなかったら

お互いを理解できなかったと思います。

子供の頃は、今が信じられないぐらい喧嘩ばかりの兄弟でしたから。

お互いに居合道を極めようと思って切磋琢磨した結果、

弟を認めて先生と思えるようになったと思います。

 

切磋琢磨と言いますが、

「切」は骨や象牙を斬ることで「磋」はそれを研ぐこと。

「琢」は玉や石を打ち叩くことで「磨」は磨くことを意味します。

私は弟に磨かれたようなものです。

それは

誰に評価されるわけでもなく、黙々と40年間、

居合道を続けてきた親父の背中を

兄弟2人とも見てきたから本気でやろうと

思ったんじゃないかと思います。

親父が我が家に居合道という文化を持ってこなかったら

こんな多くの素晴らしい先生や仲間達とも出会うこともなく

兄弟も交流がなかったと思います。

あらためて親父に感謝しました。本当にありがとうございます。

皆様のおかげで九州大会6連覇することができました。

日々教えていただいている塩川先生と博多居合研究会の皆様

親父、誠心館道場の皆様、岩田先生、九州の多くの先生、

池田宗家に感謝いたします。

今年の大会も無事に終了することができました。

さて

大会が終わり、家に帰り弟と親父と3人で

九州大会の道具をチェック。

来年の大会に向けて用意が始まります。

ゼッケンを番号順にそろえて、数を確認。

連盟旗やスピーカー、スリッパからお茶の道具の確認。

大会をスムーズに進行するためのプログラム作りが大切です。

ガムテープがあるか?そんな細かい道具でもなければ大会ができません。

また、会場を設営した熊本の武蔵会の皆様、

本当にお疲れさまでした。

 

そして・・・・今年も

九州大会が終わりました。

次は全国大会。

全日本のサムライ達が待つ大阪へ向けて

また新しい闘いが始まります。

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6 Comments »

 
  • 藤  孝典 より:

    こんばんわ、九州大会本当にお疲れ様でした。ホームページのことをお弟子さんに聞いて、早速お邪魔してみました。大田家、親子、兄弟の武士道に対する謙虚な気持ちを感じることが出来ました。小生も貴兄たちに追随できますよう益々精進しなければ、と心を新たに致しました。今後益々のご活躍を期待しております。私も微力ながら居合道の発展に寄与できればと思い、かんばっております。私は居合いを始めて2年目に第8回無双直伝英信流大会に2段の時に参加して、全国2位になりましたが、2年後、その次の第9回大会では、4段の部で4位になり、始めて間もない事もあり、わが身と我が道場にとっても快挙でしたが、これで我が師、津留﨑先生の技の確かさを痛感して、師に追随して頑張っていく所存と継続して参りました。今は、お弟子さんたちに貴方の様に全国クラスの業を実証していただきたく、「九州の居合此処に在り」と九州の居合道の発展に、そして今後とも居合による武士道の普及に寄与、追随して行きたく思っております。一度、大田先生の道場に行きたく存じておりますが、その節はよろしくお願いいたします。お父様、弟君によろしくお伝えください。お互いに切磋琢磨頑張りましょう。

    • ohta より:

      藤孝典先生
      コメントありがとうございます。本当に嬉しいです。
      居合道の素晴らしさや武士の美学を多くの人に伝えようと1年ぐらい前からホームページを開設いたしました。私も微力ながら何かできればと思っております。

      私が居合道を好きになれたのは、岩田先生、塩川先生をはじめ、博多居合研究会の皆さん、
      親父や弟、誠心館道場や武蔵会の皆さん、そして長崎や九州の先生達のおかげです。

      私は3歳ぐらいから大久保先生や丸山先生の若い時の居合道を見ていますので
      居合道の美しさは知っていましたが、実際に自分でやろうとは思っていませんでした。

      おそらく今の九州の皆さんに出会わなければ居合道を続けていたかわかりません。
      実際に自分でやってみて山あり谷あり、多くの人達に励まされて一歩ずつ進んでいます。
      まだまだ修行の身ですので今後もご指導、ご鞭撻どうぞ宜しくお願いいたします。
      また全国大会でお会いできるのを楽しみにしております。ありがとうございます。

  • 御厨 美至 より:

    岩田館長の紹介でこのサイトを初めて見ました。
    皆様の、居合道の発展に何とか貢献しようという意気込みと、熱意がヒシヒシと伝わってきます。
    今後のこのサイトのますますの発展と居合道の興隆を祈念いたします。

    • ohta より:

      御厨先生
      コメントありがとうございます。感謝いたします。
      このサイトを九州だけでなく、
      全国の居合道の先生達も見てくださっているようです。

      居合道のおかげで御厨先生や岩田先生ともご縁を
      いただきました。
      本当に居合をやってよかったと思っています。
      そして、居合道をやっていなかったら
      武士の芸術にも興味を持たなかったと思います。

      個人的な小さな活動ですが全日本居合道連盟の皆様に支えられて
      一歩ずつ進んでいきます。今後もどうぞ宜しくお願いいたします。
      心より感謝いたします。

      また大会でお会いできることを楽しみにしております。

  • 福永 泰明 より:

     大田先生のホームページはデザインも内容もすばらしいです。武士道美術館の写真も素晴らしいものばかりで感激しました。私は岩田館長先生の依頼を受けて、悠毅館本部道場のホームページをつい最近公開しましたが、もっと内容的にも充実させねばと思っていますが、
    なかなかうまくできません。いろいろと教えていただければ幸いです。
     ところで、居合道情報センターにも登録いたしましたが、そこに表示する岩田先生の演武
    の写真ですが、大田先生が撮影された、岩田先生の写真を載せたいとおもいますが、いかがでしょうか?また、悠毅館本部道場のホームページにも使わせていただきたいとおもいます。もし許可をいただければ、私のほうで、その写真をダウンロードして、掲載したいと思います。。
     お忙しいところ、誠に恐縮ですが、ご回答の程、よろしくお願い申しあげます。

    • ohta より:

      福永先生
      コメントありがとうございます。
      どうぞ私でお役に立つことがありましたら
      言ってください。
      また、写真など何かありましたら
      おっしゃってください。

      どうぞ今後もご指導宜しくお願いいたします。

 

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