加賀象嵌と肥後象がん(2017)

 

肥後金工ファン必見の展覧会が

開催されております!

 

平成29年(2017 年)

7月11日(火)〜9月24日(日)

熊本市の

熊本県伝統工芸館にて

 

 

 

熊本県伝統工芸館・

石川県立伝統産業工芸館

2017年度交流展

 

「加賀象嵌と肥後象がん」

〜小空間に広がる無限の世界〜

 

が開催されております。

 

 

肥後象嵌士の稲田憲太郎さんから

ご紹介いただき、

見学してまいりました。

 

本日は、その一部を

ご紹介いたします。

 

今後、見ることはできない作品も

ありますので

ぜひ!会場に足をお運びください。

 

 

 

稲田さんは

福岡市埋蔵文化センターが

平成28年度事業として制作した

 

庚寅銘大刀(こういんめいたち)の

復元品に象嵌を制作され、

 

今回、その作品が

展示されております。

 

 

稲田さんによる象嵌。

素晴らしいですね。

 

 

稲田さんは江戸時代から

現代までの約400年間、

 

肥後に伝承されてきた

伝統工芸「肥後象嵌」の

技法を用いて、

おもにオーダーメイドを中心とした

作品制作をされています。

 

近年は自身の制作活動にとどまらず、

肥後象嵌教室や公立小学校、

高校などでの体験授業、

海外でのワークショップなどを

通じた、「伝える」活動にも

力を入れていらっしゃいます。

 

 

こちらは、肥後象嵌の祖

初代・林又七の

桜・九曜文透鐔(江戸前期)

 

今では、なかなか

このレベルの林又七の作品を

見ることはできません。

 

よくご覧ください。

1mmの中に数本の線を入れている。

しかも・・・

象嵌で・・・

 

 

驚愕の技術。

 

現代・熊本を代表する

肥後金工師「菊川輝夫」先生曰く、

どのように作ったか

わからないほど神技の世界。

 

上の写真は拡大していますが

実際は鐔そのものの直径が8cm

ですので、この細かさが

伝わるでしょうか?

 

このように実物を見れる機会は

なかなかありません。必見です!

 

 

続いては

初代 志水甚吾の

茶筅図象嵌鐔。

 

 

 

 

これも「肥後金工大鑑」に

掲載されている貴重な作品です。

 

初代甚吾は、平田彦三の甥で

細川三齋公に従い、平田とともに

八代に住み、肥後金工中

最も異色の作家です。

 

ご存知のように細川三齋公は

利休七哲の一人で

利休居士が秀吉に切腹を命じられた時

 

古田織部とともに

淀川で見送りました。

 

利休居士への想い、

そして茶道への想いが

この甚吾の「茶筅図象嵌鐔」

(ちゃせんずそうがんつば)に

現れています。

 

結果として、

あまり知られてはいませんが

古田織部の一族も

細川家が招き、

萱野家として茶道「肥後古流」に

その流派を伝えていらっしゃいます。

 

 

続いては

二代 西垣勘四郎(永久)作の

二引桜九曜文鐔

(にびきさくらくようもんつば)

江戸中期

 

熊本県重要文化財です。

西垣永久は、初代勘四郎吉弘の子。

寛永十六年(1639)生まれ、

享保二年(1717)没。

資料:熊本県伝統工芸館

 

三代藩主細川綱利の参勤交代の

供をして江戸に行き、

後藤顕乗への入門を命じられました

初代に次ぐ上手であり、

真鍮地に象嵌を施したものに

特徴があります。

 

 

続いては五代 志水甚吾の

芭蕉図象嵌鐔

(ばしょうずぞうがんつば)

 

 

 

こちらは

甚吾伝知足亭の

赤銅地素銅蛸図象嵌鐔

しゃくどうじすあかず

ぞうがんつば(江戸後期)

 

知足亭天常は

万日坊などと並んで

謎の多い人物ですが

 

残された鐔の

銘から、八代松井家の家臣で

馬に乗ることができるほどの

高い録であったことや、

五代甚吾から「甚吾」の

名乗りを許されたことが

わかっています。

※資料:熊本県伝統工芸館

 

活躍期は天保頃で、

甚吾茂永の門人の中では

最も優れた芸術家です。

 

 

続いては林又七の再来と言われた

江戸後期の天才

神吉楽寿(かみよしらくじゅ)作の

唐草一作大小拵

 

 

この素晴らしい象嵌。

初めて見ました!

 

楽寿は深信の長男。

文化十四年(1817年)生まれ、

明治十七年(1884)没。

楽寿には子がなく、

異母弟忠八の子常栄を

養子としたが、「肥後金工録」に

「子(常栄)某作なし」とあり、

金工としては三代楽寿で

金工を止めたと考えらるとのこと。

資料:熊本県伝統工芸館

 

 

それにしても素晴らしい

象嵌の技術です。

 

楽寿をパーツで見ることはあっても

このように一作まるごと

拵で見る機会は少ないので

ぜひ、実物をご覧ください。

 

この他、人間国宝

米光太平さんの作品や

加賀象嵌の素晴らしい作品が

多数展示してありますので

 

どうぞ

熊本県伝統工芸館に

足をお運びください!

 

時間や休館日などの詳しい情報は

熊本県伝統工芸館の公式サイト

をご覧ください!

 

最後に

熊本県伝統工芸館・関係者の皆様に

心より感謝いたします。

 

 

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