幸若舞を訪ねて(完結編)

 

幸若舞を訪ねて(その1)はこちらから

 

 

 

織田信長が

 

どのように

あの「幸若舞」を舞ったのか?

 

それを知りたくて

 

福岡県みやま市瀬高の大江に

やってまいりました。

 

そこで

 

佐賀大学

名誉教授の松尾先生から

「幸若舞」について学びます。

 

松尾先生は、

まず「幸若舞」を鑑賞する前に

 

「中世の社会」を知る必要があると

おっしゃいました。

 

今年「2016年」の大河ドラマ

「真田丸」でも描かれていますが、

まさに下克上の時代。

 

 

今の時代なら

誰かに物を奪われたなら

奪ったほうが悪い時代ですが、

 

この戦乱・乱世は

自力救済(権)思想。

 

奪われたら、奪いかえす。

力のないものは奪われる。

 

自力権が弱く

奪われる方が悪かったのが

中世の思想でした。

 

 

松尾先生は

 

幸若舞の中に「緊張(厳しさ)」があり、

「宗教(死)」無常が動作に現れていると

説明してくださいました。

 

それをイメージしながら

この舞を見ると

さらに魅力がわかります。

 

信長が、どのような想いで舞ったのか

家臣達に勇気を与え、

敵と戦いながら

自分とも常に戦っていたと考えます。

 

 

大変、勉強になりました。

 

 

 

 

さて

 

 

幸若舞の創始者「幸若丸」。

 

その嗣子(しし)

弥次郎直茂の代に

本姓桃井をあらため、

 

幸若と称して、

この舞いを「幸若舞」と

呼ぶようになったことを前回、

ご説明しました。

 

続いて

その二代 直茂の弟子に

山本四郎左衛門と言う

北面の武士がおりまして

 

天性異相の大頭で、

音声も大きかったので、

世人は「大頭」と呼んでおりました。

 

それが

この「大頭(だいかしら)流」の

起こりと言われます。

 

一説には家紋が

大柏二枚重ねてあったことから、

その一流を大柏流といったので

大頭は大柏の誤りとも言われます。

 

 

その弟子に

 

百足屋善兵衛と言う

京の町人があり、

後柏原天皇の御召により

立舞を上覧に供します。

 

その高弟で同じ京の町人

大沢幸次が天正十年(1582)

筑後山下の城主「蒲地鑑運」の招きに応じ

藩中に教授した事が伝えられています。

 

 

そして、

いよいよ本題ですが、

 

なぜ?発祥の地

福井県越前にも残っていない

この「舞」が大江に残ったのか?

 

 

それは・・・

 

 

交通の発展などにより

地方に進出し、

 

その勢力を拡大していった結果

全国に広がったのですが

 

都会は、

移り変わりが激しく、

人の入れ替わりも多いため

 

結果として消えてしまい

 

それとは正反対に

 

東北や九州などの田舎には、

大きな情報の変化や人の流れがなかったので

 

奇跡的に「タイムカプセル」のように

残ったということであります。

 

 

信長が愛した

この舞は、秀吉、家康にも庇護され

 

江戸幕府は、越前幸若五家に合わせて

一千石の扶持と旗本待遇を与えました。

 

しかし、時代の流れで消えていき

結果的に、この場所にしか残っていない。

 

だからこそ

この幸若舞は私達の

遠い祖先の文化遺産であり、

 

この素晴らしい文化を

次の世代に伝えていかなければ

ならないと思いました。

 

そして、

幸若舞保存会の皆様や

松尾先生のように

現在も稽古や研究を続けていらっしゃる

皆様のおかげで

 

この芸術が現在も残っていることを

忘れてはなりません。

 

 

 

本日はありがとうございました。

 

幸若舞保存会の皆様

松尾先生、関係者の皆様に

心より感謝いたします。

 

 

 

 

幸若舞を訪ねて(その1)はコチラ

 

 

 

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