居合道の哲学(袈裟斬り)

 

 

まず、私達は

礼儀正しく、相手の人格を尊重し、

己が誠の心と

強健なる身体を鍛錬し、

 

人格、識見、技能を磨き

世の中になくてはならない人を目指し

居合道を修行しております。

 

これは

居合道の技術向上のために

約400年前に

武士が開発した抜刀術の技を

医学的な視点から解説したものです。

 

もともとは

武士が考えた「術」ですが

修行を通じ、平和を目指すために

武道は全て「道」がついております。

 

 

人を傷つけるために

訓練しているのではないことを

最初にご説明いたします。

 

 

 

さて

袈裟(けさ)とは

僧侶が身につける衣装のことで

 

一般的には右肩を出すように

斜めに着用されております。

 

居合道において

肩口から斜めに斬ることを

「袈裟斬り(けさぎり)」と申しまして

 

この語源は

この僧侶が身につけていた

「袈裟」に由来するものです。

 

 

本日は、その「袈裟斬り」を

 

解りやすく身体の構造の視点から

科学してみようと思います。

 

 

まず、袈裟斬りについて

居合道のある技では

 

敵の右肩口(肩下5cm位)より

 

水月に目掛けて、腰を充分に捻りて

右袈裟掛けに斬りつける。

 

とあります。

 

また、別の流派では

鎖骨は肉が薄く人体の中で

最も折れ易い骨であること

 

さらに

その下には大きい動脈があることから

致命傷を与えると解説してあります。

 

 

鎖骨の下にある動脈の上には

前斜角筋というものがあり、

 

動脈の下に中斜角筋があり

この間隙が狭くなると

上肢のしびれや麻痺をおこす。

 

さらに

刀の切先(きっさき)は

そこを通過して

「水月」「みぞおち」に到達します。

 

 

この「水月」「みぞおち」は

人間の腹の上方中央にある窪んだ部位で

 

みぞおちの内部背中側には

腹腔神経叢(ふくこうしんけいそう)という

神経叢があり、

 

多数の交感神経があるので

痛覚が鋭敏であること

 

さらに横隔膜の動きが瞬間的に止まり

呼吸困難になる危険な場所です。

 

 

先程の

敵の右肩口(肩下5cm位)より

 

水月に目掛けて、腰を充分に捻りて

右袈裟掛けに斬りつけるのも

 

鎖骨を直接

狙わないにしても

目指すところは水月であり

大きなダメージを与えます。

 

 

このことを理解すると

 

目的意識をはっきり持って

自分がどの位置を

どのように斬っているのかを考え

稽古することが大切だ

と言うことがわかります。

 

 

武士が人体のメカニズムを

細かく考えて「型」を作ったことを理解し、

今後も修行していきましょう。

 

武道を志す方は皆、兄弟。

図解は各流派、各道場の稽古に

お役立ていただければ幸いです。

 

 

 

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can skip to the end and leave a response. Pinging is currently not allowed.

コメントを残す

XHTML: You can use these tags: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

武士道