南関御茶屋跡(観月会)2013

 

 

平成25年10月19日(土)

 

熊本県 玉名郡南関町の

国史跡「南関御茶屋跡」にて

 

「観月会」が開催されました。

 

 

 

 

この御茶屋は

もともと1600年代に肥後藩主だった

加藤家が建立し、

 

現存する建物を1852年(嘉永5年)に

細川家が建て替えたもので

 

参勤交代の宿泊所や休憩所として

実際に使っていたものです。

 

また、

幕末には

大河ドラマにもなりました

薩摩の「天璋院・篤姫」が訪れ、

 

菓子やスイカで

もてなしたという記録が残っています。

 

 

また、

 

昭和3年7月18日には、

 

南関町出身の画家「石井了介」氏が

「北原白秋」の従兄弟だったこともあり、

 

この場所にて「北原白秋・歓迎会」を

開催しています。

 

そんな豊前街道「南関御茶屋跡」にて

「観月会」が開催されるということで

 

前から楽しみにしておりました。

 

まずは「小原区」の皆様による

美しい「こども神楽」です。

 

 

 

神楽(かぐら)は、

 

日本の神社などで

神様に奉納するために奏される歌舞。

 

古事記・日本書記の

岩戸隠れの段で

アメノウズメが舞ったことが

神楽の起源と言われます。

 

 

 

地元の皆様も多数集まり

子供達の神楽を見学されています。

 

 

続いては、

マンドリンの演奏。

 

南関町文化協会の

「トレモロ」のみなさんの演奏です。

 

 

 

江戸時代からある古い建物に

マンドリンの美しい音が響き

 

とても素敵です。

 

 

ちなみに、

 

この南関御茶屋は

南北に長い造りで、北から御居間、

御次の間、三の間と配されており、

 

屋根には細川の九曜紋をあしらった

鬼瓦や軒瓦が葺かれております。

 

 

版籍奉還後、

国の所有となった御茶屋のほとんどは、

小学校や役場などの公的施設として

利用されていきますが、

 

その反面、

 

用途に応じた増改築等で御茶屋本来の

姿を消していくことになります。

 

この「南関御茶屋」の場合は

明治25年に私の先祖が所有し、

 

民家や料亭として愛用していました。

 

 

 

しかし、

 

以前もご紹介したように

戦争という苦しい時代を越え、

 

建物の老朽化と

個人で修復するには

あまりにも難しい文化財なので

 

国に寄付するかたちになりました。

 

 

それでは

 

 

ここで

 

 

平成3年に撮影した

 

江戸時代、当時のままの

豊前街道「南関御茶屋跡」の

 

 

写真をご紹介します。

 

それが

 

こちらです。

 

 

 

 

右が19歳の私と

 

左が従兄弟で

 

後ろに見えるのが

江戸時代からあった

復元前の「南関御茶屋跡」です。

 

22年も前のことなんですね・・・

 

 

ちなみに

第二次世界大戦中は

 

疎開してきたとか、

住む場所に困ったとか

いろんな事情で多くの人が

生活したとも聞きます。

 

私は子供の頃、

中に入ろうとしましたが

古く、壊れそうだったので

入るのを断念しました。

 

それが

 

現在では

このように復元されています。

 

本当に多くの皆様のおかげであり

感謝です。

 

 

 

さて、

 

そんな「御茶屋」の歴史を

ご紹介しましたが

 

 

「観月会」に戻ります。

 

 

 

最期に演奏しますのは、

このお茶屋と縁深い

私の親戚であり、本家でもある

 

「シュクラ」の皆様。

 

二人は様々な古楽器を使って

「アイリッシュ」の音楽や

日本の伝統的な音楽を演奏いたします。

 

 

 

和から洋までの幅広い楽曲。

美しい音色。

先祖にも届いたような気がします。

 

曇りで

見えにくかった空から

 

美しい月が現れ、

「観月会」になりました。

 

会場も幻想的な雰囲気に

包まれます。

 

 

 

「シュクラ」のお二人の

素敵な演奏で

会場は盛り上がりました。

 

江戸時代からのお茶屋と

現代を生きる音楽家のみなさん、

伝統神楽の舞に癒されました。

 

これも

この会を企画されている南関町や

南関宿場町 伝楽人の

皆様のおかげであり、

 

あらためて

このイベントで

 

文化を守っていく大切さを

感じました。

 

 

文化財も人と人との交流があって

生きるものだと思いますし、

 

関係者の皆様に

感謝した夜になりました。

 

ありがとうございます。

 

 

 

 

資料:南関御茶屋跡パンフレットより

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