まぼろしの北野大茶湯を訪ねて

 

 

 

日本最大級

幻の大茶会「北野大茶会」を知っていますか?

 

北野大茶湯(きたのだいちゃのゆ)

または、(きたのだいさのえ)

とも言いますが、

茶道の歴史史上、

こんなユニークな大茶会もないんじゃないでしょうか。

 

 

ここは、京都市上京区にある「北野天満宮」

学問の神様・菅原道真を祀った神社です。

 

北野大茶会は、

天正15年10月1日(1587年11 月1日)に

この北野天満宮で

豊臣秀吉が主催して行われました。

 

 

九州平定を終えた秀吉は、

自分の権威をアピールするために

聚楽第(じゅらくだい/じゅらくてい)の造営と平行して

1,000人を巻き込む「大茶会」を開催。

 

その時に秀吉が出した触書には

こんなことが書いてありました。

 

●秀吉自慢の名物(茶道具)を茶道具マニアのために公開。

 

●身分関係なし

釜1つ、釣瓶1つ、呑物1つ、

茶道具が無ければ、替わりになる物でもいいので持参して参加すること。

 

●天満宮の敷地に畳2畳分を設置し、服装・履物など自由。

 

●外国人の参加もOK

 

●遠くから来る人もいるので「10日間」する。

 

●これだけ俺が言ってやってるのに参加しないなら

今後、茶湯をやることを禁じる!

 

●茶湯の心得がある者に対しては場所・出自を問わずに

秀吉様が目の前で茶を立てる。

 

すいません。ちょっと大袈裟ですが、

こんなことが書いてあったようです。

 

 

大茶会は

北野天満宮の拝殿(12畳分)を3つに区切り、

その中央に

「黄金の茶室」をレイアウトし、

秀吉自慢の名物を一般公開しました。

 

 

当日は、全国の武将のみならず、豪商、数寄者が集まり、

京都だけでなく、大阪、堺、奈良からも

大勢の参加者が駆けつけたと言われています。

 

みんなこの場所に野点(のだて)を行いました。

 

ちなみに今の時期5月の野点だと

初夏の訪れとともに、

風趣を求めて野外に出かけるのもまた一興。

 

主客とともに北野天満宮の景色と一体化して

一碗の茶に心を通わせたくなります。

 

実際は11 月に行われたので

紅葉をめでる茶会だったのでしょうか?

 

いずれにしても秀吉らしいユニークなイベントです。

 

 

425年前、

この場所に

戦国武将が全員集合してたんです。

 

今ではアスファルトの道になっていたり

駐車場になってますが

 

今でも、その茶会に使われた井戸が

そのまま残されていました。

 

この井戸の水を

利休も三斎も織部も飲んだのでしょうね。

 

 

メインの4茶席では

千利休・津田宗及・今井宗久という

当代きっての名人3人を茶頭として迎え、

秀吉も自ら茶席でもてなしたと言われています。

 

 

エピソードによると

丿貫(へちかん)と呼ばれた

戦国時代から安土桃山にかけての伝説の茶人が

 

約2.7メートルの大きな朱塗りの大傘を立てて

茶席を設け、人目を引いたので

 

秀吉も大いに喜び、茶を所望したエピソードが残されています。

 

 

しかし、

 

次の日、

熊本で肥後国人一揆が勃発した知らせを受けて

秀吉は茶会を中止。

 

秀吉が1日で飽きたとか、

秀吉が多数の人に茶を点てるのが疲れたとか

の噂がありますが、

再開されることなく大茶会は終了。

 

たった1 日だけの幻の茶会になったのでした。

 

 

その当時の「松の木」でしょうか?

もしかしたら、細川三斎、千利休、古田織部も

見ている松かもしれませんね。

 

 

京都には日本の歴史を感じることができる名所が

今も多数残っています。

 

「北野天満宮」。

皆さんも北野大茶会の雰囲気をイメージしながら

遊びに行かれてみてはいかがでしょうか?

 

北野大茶会を想像しながら歩いてみるのも

楽しいですよ。

 

北野天満宮 公式サイト

 

参考資料:wikipedia

京都国立博物館 北野天満宮宝展2001図録より

 

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