キックボクシングに学ぶ「武士道」
「ベチッ」
「ミチッ」
「ミシッ」
試合開始のゴングとともに
「肉と肉」、「骨と骨」がぶつかる独特の音。
映画やドラマで殴り合うシーンに使われる
「わざとらしい」効果音と違って
「痛さ」が伝わり、生々しく、迫力がある
キックボクシングの試合。
2012年2月26日(日)
先輩の所属するキックボクシング
「REALDEAL」の試合を見学。
居合道の「間合い」と「カウンター」を研究してきました。
会場は福岡市の大野城下大利ジム。
応援する人達も、みんな緊張している様子。
急所である「こめかみ」に
膝蹴りが入ってしまえば「死」にいたる危険な闘い。
四角いリングの中は「真剣勝負」の世界。
この日のために鍛え抜いた選手。
彼らは何のためにリングにあがるのか?
ファイトマネーがもらえるわけでもなく、
地味で苦しいトレーニングの日々を
ひたむきに続け「リング」の上で闘う。
その姿に感動します。
セコンドの声を聞くと
「腰を高くするな安定しろ」とか
「攻め続けろ」「間をあけるな」と
私達が、居合道で気をつけていることを言っています。
居合道で言う、「後の先(ごのせん)」
たとえ相手の刀を受ける時でも、次に斬ることを想定した
構えが「手の内」ではきまっています。
それに近いものが「格闘技」すべてに
共通していると感じました。
簡単に言えば、「攻撃は最大の防御なり」。
例えガードしても、それは「攻めるための守り」。
これは、人生にも言えることかなと考えながら
見学させていただきました。
ゴングが鳴り開始。
相手に数回、蹴らせる。
蹴らせる。
蹴らせる。
蹴らせる・・・
この選手、弱いのか?
と思った瞬間
おもいきりの「カウンター」。
わが無双直伝英信流の
「つけ込み」「受け流し」などは
まさに、このタイミング。
相手に「斬られてもいいから斬る」という覚悟が
「無心」となり、
丹田から身体が動くという状態にならなければ
本当に斬れない。
居合道は400年前に武士が考えた「型」ですし、
実際に日本刀で真剣勝負などできませんので
キックボクシングの「カウンター」から
多くのことを学べます。
今、若い人で現実から逃げ
「闘う」という精神を失った人が多い中
ここに集まった選手の
真剣に「闘う」姿を見学し
感動する1日になりました。
「生きることは闘いなのだ」と
血だらけになった彼らに教えてもらった気がします。
試合の後、
選手がお互いに礼をし、
気づかっている様子。
観客にも礼をし、
セコンドは相手の選手に水を飲ませてあげる姿。
これこそ「武士道」。
いい1日でした。
関係者の皆様に心より感謝いたします。
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can skip to the end and leave a response. Pinging is currently not allowed.