第45回 福岡市民大茶会
2011年11月3日(祝)
福岡県にて第45回 福岡市民大茶会が開催されました。
茶会の会場となったのは
■大濠日本庭園(南坊流)
■城内(表千家)
■福岡市美術館内(宗徧流)
■護国神社(裏千家、大日本茶道学会、
遠州流、子供茶ノ湯体験教室、物品販売)
■NHK福岡放送局(武者小路千家)
まずは大濠日本庭園へ。
こちらは南坊流。
南坊流は筑前黒田藩士 立花実山を流祖とする茶道の流派。
実山は、黒田三代藩主光之の側近として重要されましたが、
書画や詩文に秀でた江戸時代の博多を代表する文化人でした。
その実山の美学を受け継ぐ伝統文化が南坊流です。
会場は長蛇の列。
ちょうど11月1日から25日まで
博多座にて開催されております「錦秋博多座大歌舞伎」に
ご出演の「市川團十郎先生」が来られていることもあり、
多数のメディア関係者の方達も集まりました。
会場となった大濠日本庭園の庭。
この美しい庭園は福岡市民の憩いの場所です。
水の流れる音に耳をすませば
心も身体も癒されます。
鯉にエサを与えるとたくさん
集まってきます。
ちなみに庭園の横には大きな大濠公園があり
ジョギングやスポーツを楽しむ人達で休日はにぎわいます。
ちなみに、ここは福岡城の跡。
城は残っていませんが石垣などは残っています。
本日は、城内で「表千家」の皆様が茶会を開催されています。
そして
こちらの
福岡市美術館では「宗徧流」が行われていました。
宗徧流の流祖 山田宗徧は、
千家3代目「宗旦」の弟子・四天王の一人です。
宗旦の推薦により、三州吉田(現在の豊橋市)の城主、
小笠原忠知公の茶頭となり、現在も受け継がれています。
福岡市美術館を出て国体道路を渡ると
NHK福岡放送局があります。
こちらのNHK福岡放送局では武者小路千家が開催中。
ここで千家について少し解説しますと
千利休の孫元宗旦には4人の男子がありまして
長男の宗拙(そうせつ)は故あって家を出たため
二男の一翁宗守、三男の江岑宗左、四男の仙叟宗室が
それぞれ
「官休庵」「不審庵」「今日庵」として利休の文化を
受け継ぎました。
「不審庵」は表千家。
「今日庵」は裏千家。
「官休庵」は所在地の「通り名」から
武者小路千家と通称され、三千家の一つとして現在に及んでいます。
さて
続いては護国神社。
こちらでは(裏千家、大日本茶道学会、
遠州流、子供茶ノ湯体験教室、物品販売)が
開催されています。
普段、私達が剣の修行をしている護国神社ですが
本日は茶道家の皆様の会場に。
私達「博多居合研究会」の道場である
この場所は本日「裏千家」さんの会場になっています。
こちらは大日本茶道学会。
大日本茶道学会の皆様は
日本の茶道を現代社会に生かす活動を目標とされ
日本の文化遺産としての茶道を今と未来に
伝える活動をされています。
また、
護国神社の会場には茶花の販売も行われていました。
野に咲く花の美しさを少しご紹介します。
自然の美しさから元気をもらえますね。
色、形、ひとつとして同じものはない。
野に咲く花から教えてもらうことも沢山あります。
さて
こちらは遠州流。
知人がいることもあり参加させていただきました。
多数の参加者が並んでいらっしゃいました。
遠州流は
江戸時代初期の大名茶人であり
総合芸術家として有名な小堀遠州を流祖とする流派です。
流祖以来400年の歴史を持ち
格式ある茶道として今日まで受け継がれています。
遠州流茶道の真髄は「綺麗さび」と称されます。
それは従来の「わび・さび」の精神性茶道の世界に
美しさ、明るさ、豊かさを表現し、
誰からも美しいと云われる客観性の美、
調和の美の世界を大切にされています。
遠州流茶道は「格より入り、格より出る」ことを
修養の基本とされています。これは、常に忠実な実行と
更に創意工夫の精神を大切にして茶道を学んで行く心を
表現する言葉なのだそうです。
また、「主人は客の心になれ、客は主人の心になれ」という
言葉にあるように、遠州流の皆様は
常に相手の立場になってものを考える思いやりの心を
「茶の湯の心」として大切にされています。
先人の歴史から良いところを学び、
それを現代に活かし、新しい創造をする発想に
感動いたしました。
また、素敵なお道具も拝見できて
勉強になりました。
遠州流の皆様に心より感謝いたします。
さて今回は
大規模な茶会に参加しました。
きっと
天正十五年十月一日に開催された
豊臣秀吉による
北野大茶湯は、こんな幅広いエリアで行う
茶会だったのでしょうね。
できれば全流派の茶会に参加したかったです。
今回は、茶道を体験し
あらためて
日本の伝統文化を深く学びたいと思う1日でした。
各流派の皆様、今後もどうぞご指導宜しくお願いいたします。
本当にありがとうございました。
※参考資料
福岡茶道文化連盟:各流合同 福岡市民大茶会パンフレットより。
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