プラチナの茶室「利庵」
今日は特別に
遠州茶道 宗家「小堀宗実家元」の設計監修で誕生した
プラチナの茶室「利庵」を見学させていただきました。
先日、細川忠興公の掛け軸でお世話になった
教法寺の原田様からのご紹介で「お仏壇のはせがわ・福岡本店」へ。
美しい「綺麗さび」の世界を堪能させていただきました。
月をモチーフに、
鋭く研ぎ澄まされた空間をイメージしてデザインされた茶室は、
まさに「綺麗さび」の世界。
三畳台目の組立式の茶室に、
10,000枚のプラチナ箔が施されています。
茶室の「掛け軸」は、
12 世「宗慶家元」と13世「宗実家元」がお2人で書かれた書です。
以前、12世・小堀宗慶家元の著書を読ませていただきました。
終戦後シベリアで4年間の抑留生活を送り、
奇跡的に生還した12世家元。
そんな苦境から立ち上がり再び
茶道を極めようとされるお姿に感動したことを思い出しました。
遠州流の「綺麗さび」の世界を制作された「13世宗実家元」と
「はせがわ美術工芸」の皆様の感性に心を魅了されました。
また「お仏壇のはせがわ・福岡本店」には美術ギャラリーがあり、
多数の芸術品が展示されています。
これは「截金(きりかね)」と言われる伝統技法で
装飾された作品です。
截金の作者は重要無形文化財保持者
江里佐代子さんです。
「截金(きりかね)」は、飛鳥時代に仏教とともに伝来し、
仏像や仏画の加飾荘厳として発達した技術です。
純金箔を重ねて極めて細かい線や点に切り、筆を用いて直線や曲線に
貼り合わせ、緻密な文様を作ります。
悠久の命を映す聖なる存在に加飾するこの作業は、
並々ならぬ集中力と研ぎすまされた感性を要します。
10,000分の1 ミリの金箔を6枚に重ね、吐息にふれただけで
飛んでしまうほどの細かい金糸をつくり、これを筆でたぐり
緻密な文様を描いていくそうです。
美しい江里さんの作品に心が癒されました。
そして、
こちらは「乾漆(かんしつ)」の世界。
乾漆の歴史はたいへん古いそうで、その源流は2500年前の
中国に遡ります。
作者は「大西長利氏」東京藝術大学名誉教授。
楽焼きのような陶芸に見えますが、実は漆で表現され
大西氏が作る「朱」の色は「古代の色に近い」と評され、
この研ぎ澄まされた色は大西氏にしか出せないと言われています。
こちらは関崎秦市氏が作った「宝剣」。
剣は不動明王の持ち物、
それ自体が不動明王として礼拝の対象にもなる法具。
この宝剣の刀身は、正倉院の供物としても伝えられる硬く堅牢な
「佐波理(さはり)」という銅と錫(すず)の合金を用いています。
現在ではこの技術を伝える職人は数えるほどしかいません。
これはほんの一部で、まだまだ多数の芸術が展示されています。
今回は、「お仏壇のはせがわ」
「株式会社はせがわ様」のご協力で
日本の伝統文化を見学させていただきました。
心より感謝いたします。
株式会社はせがわ様は
京都・本願寺阿弥陀堂宮殿(重要文化財)、
清水寺開山堂御厨子(重要文化財)など
多数の国宝、重要文化財の修復を手がけられています。
まさに社会貢献ですね。
「株式会社はせがわ」の中原様、またスタッフの皆様、
教法寺の原田様、本日はありがとうございました。
お茶も美味しく、陶芸にも茶室にも感動いたしました。
今後もご指導どうぞ宜しくお願いいたします。
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