小代焼を求めて(後編)
前編は小代焼(しょうだいやき)の歴史を紹介しましたが
後編は小代焼を現在も作っていらっしゃる方の
制作現場をご紹介します。
お伺いしたのは「小代焼 ふもと窯」
井上秦秋(いのうえたいしゅう)さん、井上尚之さんの窯です。
作業中の井上尚之さんに直接、お話を聞かせていただきました。
ちょうど釉薬(ゆうやく)をかけるところだったので
見学することができました。※写真は小代焼パンフレットより。
釉薬(ゆうやく)とは陶磁器の表面をおおっているガラス質の部分。
これは薬品のことで、小代焼は粗めの陶土に茶褐色の鉄釉で覆い、
その上に藁や笹の灰から採った白釉や黄色釉を、
柄杓を使って流し掛けすることが特徴だとのこと。
こちらの「小代焼 ふもと窯」にはギャラリーもあり、
小代焼の歴史や古小代焼も見学できます。
作品を購入できるショップもあります。
住所:熊本県荒尾市府本古畑1728-1
ギャラリーでは井上秦秋さんが
天皇陛下に献上した焼物の写真と関連する作品が展示。
力強い作風が素敵ですね。
また、400年前の焼物の破片や遺跡の資料やボードも展示。
勉強になります。
古小代焼の世界。
いいですね。
武士の時代の力強さと品格があります。
小代焼は平成15年に国の伝統的工芸品に指定された
熊本県が誇る文化。肥後金工と同様に
後世に伝えなければならない宝だと思います。
こちらは井上尚之さんの作品。
用と美を兼ね備えたデザイン。
温かなご飯、味噌汁にも使える器。
デザインがいいです。
お茶やコーヒーなど飲み物に良いカップ。
シチューや肉料理などにも良い器。
毎日の食事が楽しくなる何とも愛らしい作品です。
400年続く伝統文化を今も受け継いでいらっしゃることが
素晴らしいですし、時代に合わせて進化させていく
井上さんのような芸術家がいることって本当に素晴らしいと思います。
井上尚之さんの展覧会が福岡市で開催されます。
2011年9月20日(火)〜 10月2日(日)まで
会期中は無休 作り手在店日24、25日
場所:工藝風向
福岡市中央区赤坂2-6-27
11:00-19:30
http://foucaultplus.org/
ぜひ遊びに行かれてみてはいかがでしょうか。
さて
全編、後編と2回に分けてご紹介した小代焼の旅。
最後は私が好きな美味しいお店のご紹介。
小代焼を訪ねた荒尾エリアにある本格中華のお店「虎と龍」。
ここの「海老チリ」はプリっとした食感で本当に美味しいんです。
シャンジャンという黄卵と片栗粉で具材を時間かけて仕込むことで
具材に薄い衣ができる。そのひと手間が、油を流しても旨味が流れず
旨味がとじ込められ「プリっとした食感」になる美味しさを作るとか。
場所はグリーンランド(遊園地)の横
グリーンスマイル壱番館にあります。
小代焼の里から近い場所にあり、駐車場もたっぷりあります。
私が大好きなのは、この「サンラータンメン」。
ラーメンでもタンタン麺でもない
お酢の効いた味と辛さが絶妙です。
まず昼に行ったら並ぶくらいの人気店です。
夜は宴会もあるので行ってみてください。火曜日は休みです!
「虎と龍」
住所:熊本県荒尾市下井出1616-67グリーンスマイル壱番館内
TEL0968-66-1866
小代焼を求めて旅した今回。
実は発掘すれば大きな歴史的事実が解る
素晴らしい遺跡もあるそうなのですが
個人の予算ではどうすることもできない問題もあり
謎のままになっているそうです。
文化を次の世代に遺すためにも
小代焼の研究に多くの人が注目してくれればと思います。
今後も研究していきます。
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can skip to the end and leave a response. Pinging is currently not allowed.