肥後古流の魅力

2011年3月5日
熊本市の県民百貨店にて春の合同大茶会が開催され、
伝統ある肥後古流小堀家の皆様の
美しく品格のある茶道を見学し、至福の時間を過ごしました。

肥後古流(ひごこりゅう)は、熊本藩で伝承された茶道の流派で
千利休の流儀をそのまま伝えていると称される貴重な伝統文化です。

利休七哲の中でも有力な細川三斎(細川忠興)公が
息子の忠利公と
円乗坊宗圓の婿である古市宗庵を細川家の茶道役として召し抱え、

利休から変えることのない「古風の茶の湯」を伝えることを命じたことが
始まりと言われています。

円乗坊宗円(圓乗坊宗圓)は利休の婿であり、
利休から極真台子および盆点法を伝えられた唯一の人であるとも伝えられています。

肥後古流の魅力はたくさんありますが
中でも注目したのは武家らしさ。
例えば通常の茶道では左にあるはずの「ふくさ」が
下の写真のように右にあります。

これは刀を納める左を空けているとのことです。
私達が稽古する居合道でも、下写真のように左に納刀します。

武士の命である刀の場所を空けている
その武士としての「こだわり」が
たまらなく魅力的でした。

また、写真のタイミングが難しく表現できていませんが
武士が刀で血振りをする「横血振り」に似た動作が茶道の中にあります。

※刀を左から右に払い、血を振っている瞬間。

この上の写真の状態から、手を「パッ」と右に血振りをするように水をきる動作が
他の茶道流派にはない独自の世界です。

まさに武士が刀を扱うような力強さと品格のある美しさを感じました。

天才的な利休の茶の湯を深く愛し
その中で武士は武士としての生き方を貫く姿勢を崩さなかった三斎公。

明日の命もわからない戦国時代の「茶の湯」は
いったいどんな世界だったのでしょうか?

私は
明智の反乱、関ヶ原とガラシャの死、
最愛の後継者である忠利の死を看取るという悲しみを乗り越えた彼の
哲学のようなものが肥後古流の中にあるように感じました。

テクノロジーが進化した現代社会も素晴らしいですが
武士の時代の文化に触れることも大切だと思いました。
そして、
その伝統を受け継いでいる肥後古流小堀家の皆様に感動しました。

貴重な体験をさせていただいた小堀家の皆様、
そして小堀宗家に心から感謝いたします。

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