小説日本芸譚
利休も世阿弥も雪舟も
人生のどん底とも言うべき苦悩の中で
芸術を完成させた。
実際に見たわけでないから本当のことは誰もわからない。
しかし
松本清張が書いた「小説日本芸譚」を読むと
芸を究むる者たちが背負いし業、煩悩に苛まれる芸術家の姿が
リアルに描かれている。
新進気鋭の快慶の評判に心を乱される運慶。
命を懸けて、秀吉と対峙する千利休。
将軍義教に憎まれ、虐げられる世阿弥。
そんな苦悩の中で完成された彼らの芸術は
何百年たった現代でも輝き続けている。
「小説日本芸譚」(新潮文庫)
芸術の秋にふさわしい一冊です。
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