背振山の月
日本で初めて
「茶」を栽培したと言われる「背振山(せぶりやま)」。
中国から茶を持ち帰り
「喫茶養生記」を著した「栄西禅師」が
この「福岡県」と「佐賀県」の県境にある
「背振山」で茶を栽培したことから日本の
「茶の湯文化の礎」が誕生したと言われています。
そんな「背振山」に「星」を見る
「天文台がある」
と聞いて夕方から行ってみることに。
博多から、「那珂川町」を通って
「背振山」に向かうと
「吉野ヶ里歴史公園まで25Km」という標識。
「25Km?」と思うほど、
博多から吉野ヶ里は「近い」と実感。
その中間に「背振山」があり
車で深く入れば入るほど とても神秘的な空気。
ちなみに「那珂川町」の「那珂」は
「那加」「中」「長」とも書き、
「奈良」「那羅」に同じ意味と聞いたことがあり、
朝鮮語での「中・長」は都という意味があるとか。
また、刀鍛冶などの鍛冶工人の集落を
「ナカ」と呼んでいたとのこと。
古代は「鉄」を制するものが「天下」を制していたわけで
「鍛冶」の技術と「政治の中心」は関係があったかも・・・
などなど 本当のことは解りませんが
とても歴史のロマンを感じますね。
徳永B遺跡 写真撮影:太田光柾(武士道美術館)
その昔、「役行者(えんのぎょうじゃ)」
又は「役小角(えんのおづの)」
と呼ばれる「修験道の開祖」が
「英彦山」から
「宝満山」を飛び越え、
「背振山」に降り立った
と伝えられているらしく、
それぞれに「刀鍛冶」や武士に関係する
歴史遺産が残されています。
ちなみに「英彦山」のほうから大分には「豊後高田鍛冶」、
「宝満山」には「金剛兵衛源盛高」という刀鍛冶がいます。
さて、
車を走らせて辿り着いたのは
こんな山奥にこんな施設がと思いましたが、
よく考えれば中学生の時に
合宿か何かで来たことがあるような・・・
この日も、たくさんの学生さんが宿泊されていました。
警備の方に案内されて「天文台」に行くと
たくさんの家族が「スターウォッチング」に
集まっていました。
冬は道路が凍って山に入れないので
開催されていないようですが、
それ以外の季節は月に1〜2度、このような
「スターウォッチング」を開催されているようです。
立派な天文台。
皆さん、「土星」を見学されています。
皆さんが見ているのは
「春の大三角」
うしかい座の「アルクトゥールス」、
おとめ座の「スピカ」、
しし座の「デネボラ」を結んだ三角形。
背振の山奥だからこそ見える
美しい星空を多くの人達が楽しんでいました。
天気は、少し曇りだったので
見えたり見えなかったりでしたが、
月を見ることができました。
スターウオッチングの関係者の方が親切に
私のカメラに望遠鏡を合わせて
この日「背振山から見える月」を撮影してくれました。
それが、この一枚。
「古代人」も「栄西禅師」も「武士」も
この月を見ていたのか・・・
そんなことを考えながら
「背振山の月」を見学できた
ありがたい夜でした。
資料:Google map
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