肥後金工の世界

肥後金工(蝙蝠図)遠山

「こうもり」と聞いて

悪いイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?

 

ドラキュラとか

吸血鬼なんてイメージもあると思います。

 

でも実は・・・

 

中国ではとても縁起のいい動物なのです。

ご存知でしたか?

中国では音が「福」と読むことから

「幸福」をイメージする動物で

100年以上生きた「ねずみ」が蝙蝠(こうもり)になると言われ

長寿を意味します。

 

日本でも蚊を喰う鳥と書いて「蚊喰鳥」と言われ

人間の役に立ついい動物と言われたいたようです。

 

そこで

 

肥後鐔(ひごつば)に「蝙蝠(こうもり)」デザインがないか?

探してみたところ

素敵なものがありました。

遠山作「蝙蝠(こうもり)図」。

遠山は

明治に書かれた肥後金工の聖書

「肥後金工録」にも紹介されていますが、

ほとんど解明されていません。

 

どこに住んでたとか?

誰の弟子だったとか

また、作品が本物か?とかいろんなことが

解らないところが歴史のミステリー。

ただ、

名前を彫ってあるものがあったりして

作品から、その人物像を推理しなくてはなりません。

 

ちなみに

遠山頼家・頼次なる人物がいて名作を残しています。

遠山が「蝙蝠(こうもり)」をデザインしたのは

おそらく先程ご紹介した

中国文化の影響だと思われます。

 

神仙思想によって自分達も

不老不死になりたいと願うことから

このような吉祥文様は生まれました。

 

蝙蝠(こうもり)もそのひとつです。

遥か昔の熊本で、遠山が(こうもり)のアイデアを想像し

このデザインを考えていたかと思うと楽しいですね。

肥後金工の素晴らしさを知っていただければ幸いです。

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